〇 国民年金基金を始めませんか
自営業やフリーランスの方で、国民年金だけでは老後の生活が不安だ、と思っている人はいませんか。そのような方は、国民年金基金への加入を検討されてはいかがでしょうか。
国民年金基金は、自営業やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者の方が、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして加入できる公的年金制度です。
国民年金基金の対象者は、20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者の方と、60歳以上65歳未満で任意加入している方です。なお、国民年金の保険料を免除されている人や、農業年金被保険者の方は対象外になります。
国民年金基金は国民年金とは異なり、いろいろなタイプを自分で選ぶことができます。タイプは全部で7種類あり、掛金の上限は月額68,000円です。
掛金の1口目は、終身年金のA型またはB型の2種類から選び、2口目以降は7種類から自由に組み合わせて選ぶことができます。7種類とはA型、B型のほかに、確定年金のⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型があり、受給開始年齢と受給期間が異なります。
終身年金A型は、万一の場合に遺族に一時金が支給されますが、終身年金B型は遺族一時金がない代わりに、掛金を抑えることができます。確定年金Ⅰ~Ⅴ型は、年金受給前または保証期間中に亡くなられた場合、遺族一時金が支給されます。
(出所:全国国民年金基金のホームページの「年金のタイプと選び方」より)
月額の掛金は1口目が1~2万円で、2口目以降の1口分は0.5~1万円となり、加入するときの年齢
男女の別、年金のタイプによって異なります。
例えば、35歳に加入して60歳まで払い込むとして、掛金は1口目がB型、2口目以降はB型で9口とすると、掛金が 月額36,540円、65歳からの年金が年額 752,700円になります。この掛金と年金額の試算は、全国国民年金基金のホームページの「年金額シミュレーション」で簡単にできます。
国民年金基金の申し込みは、全国国民年金基金のホームページの「資料請求」を依頼すると
「加入申出書」が送られてくるので、必要事項を記入して郵送すればできます。
国民年金基金と似た制度に、iDeCo(個人型確定拠出年金)があります。
受給方法を比べると、iDeCoは一時金受け取りや5年以上20年以下の有期年金であるのに対して、国民年金基金は終身年金が基本のため、長生きすれば多く受け取れます。
両者とも掛金は全額所得控除になりますが、iDeCoの加入者本人の掛金が小規模企業共済等掛金控除になるのに対して、国民年金基金は生計を一にする親族の掛金も負担でき、全額が社会保険料控除になります。
運用の方法の違いは、iDeCoは自分で運用商品を決める確定拠出年金であるのに対して、国民年金基金は申し込み時点で掛金額と給付額が決まる確定給付年金になります。
iDeCoと国民年金基金は、掛金が合計で月額68,000円以内であれば、2つの制度を併用して利用することもできます。
自営業やフリーランスなどの方は、老後を安心して暮らすためにも国民年金基金およびiDeCoの加入を検討してみてください。
(塚)