採用時の基本「労働条件通知書」きちんと整備していますか?

1.労働条件の書面交付は会社の義務です!

会社は労働者を採用する際、つまり雇用契約を結ぶ際には、必ず従業員へ書面(本人が希望している場合は電磁的方法でも可)で、以下の事項を明示しなければなりません。(労働基準法第15条等)この書面のことを労働条件通知書と呼んでいます。

【絶対的明示事項】

  • 労働契約の期間
  • 就業の場所および業務内容
  • 始業および終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間/休日/休暇、シフト制・交替勤務制などで就業させる場合の交替期日や交替順序等
  • 賃金の計算方法/締日支払日
  • 解雇を含む退職に関する事項

 

2.雇用契約書と労働条件通知書の違い

★雇用契約書★

雇用契約書の根拠となっている雇用契約は民法が適用されます。書面での締結は義務ではありませんが、会社と採用された労働者で記載内容を確認し、原則署名・捺印したものを1部ずつ保管します。つまり双方の同意を明確にした任意の書類ということになります。

 

★労働条件通知書★

適用されるのは労働基準法になります。法定の事項を記載した書面交付が義務であり、交付を怠った場合は罰則があります。一般的に労働者の確認欄や署名はなく、労働条件(会社の意向)のみが記されている書類です。

 

3.「知らなかった」「聞いていない」雇用後のトラブルを避けるために

弊所では、末尾に内容確認の同意欄、署名欄を設けた「労働条件通知書 兼 雇用契約書」を作成することがあります。双方の同意が明確になるほか、法定事項以外にも会社の意向として特に守ってもらいたい事などの特別な事項を盛り込むことができ、契約のルールをより明確にすることができます。万が一トラブルが生じた場合でも、互いの主張の根拠を共有できるので、双方が納得できるスムーズな解決を導きやすくなります。

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