大学生の子供の国民年金立替え納付は待って!

大学生の子供の20歳からの国民年金保険料ですが、子供の将来の年金のために、子供の代わりに保険料を立替え納付しようとしているあなた、ちょっと待ってください。よく考えてから決めた方が良いですよ。

国民年金は、日本国内に住む20歳~60歳のすべての人に加入の義務があります。収入のない大学生であっても、20歳になったら原則保険料(2023年度、16,520円)を納付しなければなりません。

しかし、20歳以上であっても所得が一定額以下の学生については、申請により在学中の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。この制度は免除ではないので、後で保険料を「追納」しないと、将来受け取る国民年金が減らされることになります。

優しいあなたは、子供の代わりに保険料を納付しようと思うかもしれませんが、「厚生年金の経過的加算」という制度がありますので、少し待ってください。
20歳未満あるいは60歳以降も会社で働く方がおられます。こういう方は、その期間働いても国民年金は増えません。それでは可哀想ということで、厚生年金側で増やしてあげようという制度が「厚生年金の経過的加算」です。

厚生年金の経過的加算の金額は、次の計算式で算出されます。(2023年度)
経過的加算 = ① ー ②
① 1,652円 × 厚生年金加入月数(上限480月)
② 795,000円 × 厚生年金加入月数(20歳以上60歳未満の月数)/ 480月

① は、60歳台前半の老齢厚生年金として支給される定額部分の計算式です。
② は、老齢基礎年金の20歳から60歳の加入期間の計算式です。

20歳前あるいは60歳以降に厚生年金に加入していた期間は、①の厚生年金の加入月数は増えますが、②は増えないので、①から②を差し引いた経過的加算が増え、厚生年金が増える仕組みです。

例えば、大学時代に30カ月の未納期間があったとします。60歳時点で厚生年金の被保険者期間が450月となり、満額の795,000円の老齢基礎年金は受け取れず、795,000円×450月/480月で、745,312円の受給額となります。

一方、60歳以降も30カ月働けば、厚生年金側で経過的加算 49,688円増やすことができ、大学時代の未加入30カ月の穴を埋めることができるのです。

但し、31カ月以上働いても上限が480月のため、経過的加算はそれ以上増えません。

昨今65歳あるいは70歳まで働くことが、当たり前のようになってきています。そのことを前提に、大学生の子供の国民年金を立替え納付するべきかどうか、判断されたらよろしいかと思います。

(塚)